プログラミングPerl

プログラミングPerl〈VOLUME1〉

プログラミングPerl〈VOLUME1〉

註: これはPerlを殆ど使えない素人の独り言です。

県立医大の図書館にはどんな計算機科学の本があるのかの続き。

「人間機械論」のなかに赤ん坊に関する印象的な実験の話が載っている。
赤ん坊をできるだけ年長者から隔離する。すると、赤ん坊は赤ん坊特有の発声(泣いたり叫んだり)をするが、いつまでたっても言語を話すようにはならない。ところが、二人の赤ん坊を一緒にして同じように年長者から隔離すると、やがて二人はお互いにしか分からない言語を創り、「通信」するようになる。

このように、言語は人間にとって明らかに本能的なものだが、「では、言語は一体どのようにして成り立っているのか」ということを論理的に説明することは難しい。
例えば、「羽子板は何故、羽子板と呼ばれるか」ということを説明するのは難しい。結局のところ、「何故ならそれを皆が羽子板と呼んでいるから」という説明しかできない。それ以上の説明は、羽子板という言葉を使う話者の意識のフレームを説明することに他ならない。「羽子板は何故、正月板と呼ばれないのか」という説明には決してならない。

本書はPerlというプログラミング言語の参考書だが、かなり多くの部分を、ラリー・ウォールさんの意識のフレームについての説明に割いている。その分、あまり論理的でなく、そして解説が冗長になっているわけだが、意識のフレームを共有できる人にとっては分かりやすいかもしれない。