統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

統計というものは人間にとって非常に意識しにくいものである。多くの場合、人間は36%と37%の違いを知覚できない。そのせいなのか、統計学というのは最も歴史の浅い学問のひとつである。統計学が生まれてから、せいぜい200年くらいしか経っていない。しかし、人間の活動範囲や交流範囲が拡がるにつれ、統計の重要性というものは高まってきた。もはや、現代人の生活にとって統計というものは必要欠くべからずなものになっている。

統計学が最強の学問である、なぜなら最速で最善の解答をだせるから....という命題のもとに本書は書かれているが、それなりの説得力がある。特に、第五章はさまざまな統計手法について平易に統一的に記述されており分かりやすい(または、分かった気になりやすい)。そして統計をとるときや見るときに注意しなければいけない点、統計の限界等についてもきちんと述べられている。時間がない人はこの章だけを読めばいいんじゃないの。

そして、第六章では様々な分野における統計の特徴について述べられていて、興味深い。疫学、生物学、心理学、社会学言語学、計算機科学、計量経済学....。ただ、統計学上の観点から記述されていて、それほど個別分野について深入りしているわけではない。

それにしても、統計学というものは突き詰めれば突き詰めるほど非直感的になるようだ。
例えば、生産可能性フロンティアベイズ推定ニューラルネットワークといった概念について、直感的に把握することは難しい。きちんと理解しようと思えばそれなりに系統的な学習を積む必要がありそうだ。