与謝野馨さんと経済財政諮問会議

与謝野馨さんのホームページが改装中で古い記事が消えつつある。もったいないのでメモ。
以下、「小泉改革と日本経済」と題した2002年7月4日の記事より引用。

小泉内閣の経済政策については、個人的には次のように感じております。第一には、国債発行30兆の枠というのは、これは政策ではありません。財政再建を最優先することには私は異論はありませんが、政策とは言えないスローガンにこだわって、かえって自縄自縛になっているように思えてなりません。第二は、経済財政諮問会議はあまり機能していないのではないかと思っております。

本当は財政再建と経済活性化の議論をぶつけ合う必要があるわけです。たとえば財務大臣経済産業大臣がそれぞれの立場を主張し、その行事役を大所高所からなさるということであれば、経済財政諮問会議は機能を発揮するはずです。ただ、残念ながら、行司役たる竹中大臣が前面に出てしまうと、政治のプロセスというのはまったく動かなくなっております。

裏で汗をかいて、手柄は各省の大臣あるいは与党にあげるというプレーヤーが内閣におりませんと、結局、政策は人間集団によって決定されるので、経済財政諮問会議というのはほとんど動いていない、また、誰も責任をとらないという体制になっていることを私は大変心配をしております。

http://www.yosano.gr.jp/article/koizumi2002074.html

私の考えでは、当時の経済財政諮問会議は「誰も責任をとらないという体制」にはなってなかったと思う。良くも悪くも、竹中大臣が手柄も責任も総取りするシステムになっていたのではないか。むしろ、与謝野さんが担当大臣だった頃の方が、そういう傾向が強かったように思う。

また、「裏で汗をかいて、手柄は各省の大臣あるいは与党にあげる」というのも、あまりよろしくないと思う。竹下元首相が「汗は自分でかきましょう、手柄は他人にあげましょう」と言って以来、これが自民党の美徳になっているように思われるが...
「良かれと思ってやったことだが、実は後から振り返るとマズかった」ということも、政治の世界では多いですからね。そういう時、責任の所在が曖昧になる。