Quirkyはどこへいくのか

前回のエントリの続き。Quirkyについての雑感。

Quirkyは、パピーリナックス・プロジェクトの元リーダーのバリーさんが開発しているディストリで、パピーのフォークといってもいいだろう。
しかし、パピーと違い一般向けのディストリビューションでなく、バリーさんが気の赴くままに実験的な機能を試している、と言った感じだ。

それで、バリーさんが今凝っているのは、システム全体のバックアップ/リカバリの機能の実装なのだが、正直言って「今更感」が強いように思う。

もともと、パピーのバックアップ/リカバリ能力は非常に高かった。
多分、Linux系ディストリの中では最強に近いんじゃないかと思う。

これは何故かというと、layerfssquashfsを併用してシステム上の変更を単一のファイルにまとめて保存しているから。これは非常に便利で、バックアップは単にファイルをコピーするだけで済むし、リカバリはコピーしたファイルを戻すだけだ。

しかしバリーさんはQuirkyでは、この仕組みを使わないという。ふむむ....。
業務系、サーバー系のディストリからパッケージ(多分優れたものが沢山ある)を持ってくるわけでもなさそうだし、一から実装するとして、どれくらい優れたものになるのか疑問だ。
まぁ僕は単なるユーザなんで、文句をいう筋合いはまったくないんですけど。

あえて推察すれば、パピーの仕組みだと、単一の(保存)ファイル内のI/Oが頻発するので、これはフラッシュドライブにとって望ましくないということは言えるかもしれない。*注
Quirkyのように、非アーカイブの形で変更を保存するほうが--つまり通常のディストリに近い形のほうが--ドライブを偏りなく使用できる。
バリーさんは、f2fs(Flash-Friendly File System)にも興味があるようだし、これを利用して何か面白いことをやりたい....といったところだろうか。

*注
最近のパピーは、フラッシュドライブ内の保存ファイルを利用する場合、書き込みが頻発しないよう、様々な工夫がなされている(例えばこことかこのあたり)。だから、これはそんなに問題にならないとも言える。