僕だけがいない街

荒木飛呂彦さんが帯で推薦文を書いていたので、買って2巻まで読んだ。

中学生の頃、ある時ふと、周りの環境について、
「今、僕の周囲には同い年のひとばかり沢山いて、同い年でない人はとても少ない。でも大人になって社会にでれば、これは全く逆になるんだろうな」
と思ったことがある。今から思えばこれは正しかったが、だからといって特にどうするということもなかった。
この漫画を読んで、そのことを思い出した。

漫画家志望の30歳近いフリーターの主人公が、ふとしたことで小学生のときに起きた誘拐殺人事件のことを思い出す。その後、主人公の身近で大きな事件が起こり、主人公は小学生時代にタイムスリップする....というおはなし。

1巻と2巻で舞台もストーリーもガラッと変わるので、別々に読んでも構わないと思う。
1巻目は現代の主人公のはなし。主人公と同い年ではない登場人物しかでてこない。アルバイト先の同僚、母親、漫画雑誌編集者....。
2巻目は小学生に戻った主人公のはなし。同い年の同級生と主人公を軸に話が進んでゆく。

この世界観の対比が結構面白かった。
当たり前だが、「子供と大人では世界の見え方が全然違うよね」ということを読んでいて再確認させられた。

あと、ストーリーも絵も結構秀逸です。
2巻目は、寒い寒い地方の田舎町の少年少女の物語です。