動的平衡2
- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 木楽舎
- 発売日: 2011/12/10
- メディア: 単行本
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ウェブが普及している昨今、こういったトリビアを並べたエッセイというものの相対的価値は下がりつつある。以前は書籍以外で知ることが難しかった事柄でも、今はウィキペディアなり専門家のブログで知ることができる。本書も15年前ならば、もっと価値あるものとして、人々の手にとられていただろう。
しかし、最終章(第九章 木を見て森を見ず)は環境問題について、かなり系統立てて説明していて興味深かった。そして、ちょっと池田信夫さんのブログとかぶっている所が多かったので、メモ。
・生命はエントロピーを排出することで成り立っている(負のエントロピーを食べている)
・京都議定書の削減目標の達成は、もともと無理(そしてそんなに意味がない)
・排出権取引制度について疑問が多い
・リサイクル(再利用)は、新たに一から作るよりも割高になりがち(増大したエントロピーを元に戻す作業だから)
・二酸化炭素と温暖化には、相関関係はあるが因果関係は不明
あと、本書に書かれている主なトリビアとしては...
・日本のソメイヨシノの殆ど全ては、もともとは一本のソメイヨシノに由来するらしい
・ヒトのゲノムの容量は約3GB。ショウジョウバエで180MB。コムギで17GB。
・全世界の毎年のトウモロコシの収穫量は約8億トン。人類の総人口を70億人、平均体重を50キロとすると総量は3.5億トン。
・腸内細菌の数は人間の場合、100兆から200兆。重さにすると数キロにもなる。
・世界の二酸化炭素の国別排出割合は、1位は中国で22%、2位がアメリカで19%、日本は5位で4%。
などなど。